【美術館備忘録#8】アーティゾン美術館の『STEPS AHEAD』に行ってきました。

アート
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こんにちは。ナミです。

緊急事態宣言発令前に、アーティゾン美術館で開催中(現在休館中、5月15日より開館予定)の『STEPS AHEAD』に行ってきました。

本展は、アーティゾン美術館の新収蔵作品の展覧会です。
抽象表現を中心とした20世紀初頭から現代までの美術館や日本の近世美術など、国内外の幅広い作品を鑑賞することができます。

絵画が中心ですが、美術初心者でも楽しめる展示でした。
学生は入場料無料なので、おすすめです。

館内の様子を写真付きで紹介しますので、展覧会選びの参考にしていただけると嬉しいです。

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『STEPS AHEAD』の見どころ

この展覧会は、13のセクションで構成されています。
それぞれのセクションについて、写真付きで紹介していきます。

藤島武二の《東洋振り》と日本、西洋の近代絵画

会場に足を踏み入れてまず目に飛び込んでくるのは、藤島武二の『東洋振り』です。

藤島武二『東洋振り』(1924)

一見、西洋の肖像画のようですが、人物と衣装は中国風です。
東洋と西洋の文化の融合を見て取ることができます。

その他、日本近代絵画や西洋近代絵画の名作が展示されています。

中村ツネ『静物』(1919)
アンリ・ファンタン=ラトゥール『静物(花、果実、ワイングラスとティーカップ)』(1865)

印象派画家の作品も展示されています。

ベルト・モリゾ『バルコニーの女と子ども』(1872)
マリー・ブラックモン『セーヴルのテラスにて』(1880)
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キュビズム

キュビズムは、20世紀にピカソとブラックによって創始された新たな絵画様式です。
一見何を表しているのかわかりませんが、物を多面的に捉えた作品たちは様々な解釈ができる面白いものばかりです。

ジャン・メッツァンジェ『円卓の上の静物』(1916)
パブロ・ピカソ『ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙』(1913)
ジーノ・セヴェリーニ『金管奏者(路上演奏者)』(1916)
古賀春江『素朴な月夜』(1929)

キュビズム誕生に影響を与えたセザンヌの作品も展示されています。
本展は、セザンヌの作品のオマージュと思われる作品が多く展示されており、これだけの規模の近代絵画の展覧会ならではの面白さだなと思いました。

ポール・セザンヌ『サント=ヴィクトワール山とシャトーノワール』(1904-1906)

カンディンスキーとクレー

このセクションでは、抽象芸術の生みの親と称されるカンディンスキーや抽象絵画の発展に貢献したクレーの作品を中心に展示されています。

ヴァシリー・カンディンスキー『3本の菩提樹』(1908)
ヴァシリー・カンディンスキー『自らが輝く』(1924)
パウル・クレー『数学的なヴィジョン』(1923)
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倉俣史朗と田中信太郎

続いては、日本人アーティストのセクション。
今なおデザイン界、美術界に大きな影響を与え続ける2人の家具作品や絵画、立体作品が展示されています。

倉俣史朗『エキスパンド・チェアー・セットとガラス・テーブル』(1986)
田中信太郎『何故、その庭に翳りはないのか、』(1986)
展示風景
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抽象表現主義の女性画家たちを中心に

抽象表現主義は、1940年代後半にアメリカ・ニューヨークを中心に展開された美術運動です。
このセクションでは、女性画家たちのパワフルな抽象表現作品を見ることができます。

こちらは、展覧会メインビジュアルの作品。

エレイン・デ・クーニング『無題(闘牛)』(1959)
マーク・トビー『傷ついた潮流』(1957)
ジョアン・ミロ『「黒と赤」シリーズより』(1938)
ジョアン・ミロ『「黒と赤」シリーズより』(1938)

瀧口修造と実験工房

瀧口修造は日本のシュルレアリスムを牽引した詩人・美術評論家です。
実験工房は、その瀧口修造のもとに美術家や音楽家など若手芸術家14人が集まって結成されたグループです。

このセクションでは、彼らの前衛的な表現の数々を見ることができます。

瀧口修造『無題』(1960)

こちらは、紙を燃やした作品。

瀧口修造『無題』(1962)

こんなコラージュ作品も。

瀧口修造・福島秀子『変位図』(1974)
山口勝弘『無題』(1950)

こちらは、角度によって見え方が変わる作品。
ぜひ実物を観に行ってほしいです。

山口勝弘『ヴィトリーヌ 昇天』(1955)
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デュシャンとニューヨーク

こちらは、デュシャンの『トランクの箱』という作品。
「携帯できる美術館」をテーマに作られました。

マルセル・デュシャン『マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの箱)シリーズB』(1952、1946(鉛筆素描))

コーネルの箱の中に世界観を作る作品も面白かったです。

こちらは、鳥たちが飛び立った後の止まり木がテーマ。

ジョゼフ・コーネル『見棄てられた止まり木』(1949)

こちらは、コーネルが関心を持っていた事柄が表現された作品。

ジョゼフ・コーネル『無題(星座)』(1958-1962)
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第二次世界大戦のフランスの抽象美術

このセクションでは、フランスの戦後画壇を代表する抽象画家の作品が展示されています。

展示風景
ザオ・ウーキー『水に沈んだ都市』(1954)
堂本尚郎『集中する力』(1958)

具体の絵画

具体美術協会は、吉原治良を中心に結成されたグループです。
グループ名は、「精神が自由であることを具体的に提示する」という理念に基づいて付けられました。

この時期の代表的な絵画技法である、絵の具の流し込みを大胆に使った作品が展示されています。

元永定正『無題』(1965)
田中敦子『1985 B』(1985)
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オーストラリア美術ーアボリジナル・アート

このセクションでは、オーストラリアの先住民アボリジナル・トレス海峡諸島民による作品が展示されています。

先住民ならではの感性で捉えられた世界は、見ごたえ満点です。

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日本の抽象絵画

このセクションでは、国外の影響を受けながら独自に発展していった日本の抽象表現作品が紹介されています。

菅井汲『黒い雲 1962』(1962)

こちらは、日本を代表する抽象画家、オノサト・トシノブの代表作。

オノサト・トシノブ『朱の丸』(1959)

こちらは、ドリルを用いた絵画と彫刻の中間のような作品。

斉藤義重『作品』(1961)
草間彌生『無題(無限の網)』(1962)

真っ黒なこちらの作品、『2021年宇宙の旅』で見た「Perfect Time」という作品を思い出しました。

堂本尚郎『連続の溶解9』(1964)
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石橋財団コレクションの超高精細スキャニングプロジェクト

このセクションでは、超高精細スキャニング機器によってデジタル管理されている所蔵作品画像をスクリーン上で見ることができます。
高精細画像により、作品の細部まで楽しむことができます。

アンリ・マティスの素描

20世紀の巨匠アンリ・マティスは、同じ主題を多様な手法で描き続けました。
特に、マティスの孫娘ジャッキーをモデルにした作品が多く残されています。

アンリ・マティス『チェックの襟の女』(1937)
アンリ・マティス『ジャッキー』(1947)

これらのマティスの作品は、展示替えのため現在は展示されていないようです。

アンリ・マティス『石膏のある静物』(1927)
展示風景
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『STEPS AHEAD』のチケット情報

アーティゾン美術館は、2021年5月11日現在日時指定予約制です。
あらかじめご来館前に入場券を購入する必要があります。

チケット購入はこちらから

オンラインでの事前予約

事前予約制のチケットは、こちらのサイトから購入できます。
大学生・専門学校生・高校生は無料ですが、こちらのサイトから入館時間枠の予約が必要です。
入館時に学生証または生徒手帳を提示してください。
チケット購入 | アーティゾン美術館 (artizon.museum)

支払い方法は、クレジットカードのみです。

入場時間は、次のように分かれています。

1.10:00-11:30
2.12:00-13:30
3.14:00-15:30
4.16:00-17:30

指定した時間枠内であれば、いつでも入館できます。
入館後は閉館まで時間制限なく鑑賞できます。入替制ではありません。

チケットの受け取り、および入館方法は以下の通りです。

  1. チケットの購入が完了すると、ご指定のメールアドレスにURLを記載したメールが届きます。
  2. このURLにアクセスするとQRコードを取得できます。
  3. QRコードをお持ちのスマートフォンに表示してご入場ください。QRコードを紙に印刷して入館することも可能です。

当日券

開催中の展覧会について、ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売します。
ただし、事前予約時とは料金が異なります(後述)。

入場料

一般:1,200円 / 大学・高校生:無料(要予約) / 中・小学生:無料(予約不要)/ 障がい者:無料(要予約)
ただし、当日券は一般1,500円となります。

『STEPS AHEAD』の混雑状況

わたしは、4月下旬の水曜日14時からの回に訪れました。
待ち時間なしでスムーズに入れました。

会場内もそれほど混んでおらず、ゆっくり楽しめました。
ただ、緊急事態宣言発令直前に訪れたということもあるため、今の混雑状況はすこし変わっているかもしれません。

それでも、会期が9月までのため、しばらくは混雑することはなさそうです。

『STEPS AHEAD』の所要時間

かなりゆっくり鑑賞しながらで、滞在時間は2時間半ほどかかりました。

会場が6階から4階までと広く、展示作品数も多いため、他の展覧会と比べても時間がかかりそうです。

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『STEPS AHEAD』のお気に入りの1枚

毎回、一番気に入った作品のポストカードを購入しています。

今回の展覧会は個人的に好みの作品が多かったため、たくさん購入してしまいました。笑
(そんなことを毎回言っている気がする)

1枚目は、藤島武二の『東洋振り』。

西洋と東洋の文化の融合に大正時代の雰囲気が感じられて、とても好きな作品でした。

2枚目は、荻須高徳の『アベスの階段』。

油彩画ならではの艶感と凹凸、そして情景の美しさに心惹かれてしまいました。

3枚目は、パウル・クレーの『羊飼い』。

ぱっと見不気味な雰囲気なのですが、なぜか惹かれてしまって引き返してもう一回見に行ってしまった作品。

『アベスの階段』も『羊飼い』も、何に惹かれたのかはわからないけれど、引っ掛かりを感じた作品だったので選びました。

4枚目は元永定正の『無題』(右上)、5枚目はヴァシリー・カンディンスキーの『二本の線』(左下)です。

『無題』は、絵の具の流れ出る感じが今の自分にどこか重なる感じがして選びました。
『二本の線』は、幾何学的なデザインとカラフルな色使いが自分の好みど真ん中だったので即決しました。

ポストカード以外にもグッズが充実していました。
鑑賞後は、ショップでお土産選びを楽しむのがおすすめです。

基本情報

STEPS AHEAD
会場:アーティゾン美術館6階、5階、4階 展示室(アーティゾン美術館 (artizon.museum)

アクセス:JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線・京橋駅(6番、7番出口)、東京メトロ・銀座線/東西線/都営浅草線・日本橋駅(B1出口)から徒歩5分
会期:2021年2月13日(土)~ 9月5日(日)
休館日:月曜日(5月3日、8月9日は開館)、5月11日-14日、8月10日
開館時間:10:00~18:00
チケット:日時指定予約制、場合によって当日券あり
備考:一部写真撮影可・動画撮影は不可

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今回は、アーティゾン美術館で開催中の『STEPS AHEAD』を紹介しました。
緊急事態宣言で都内の多くの美術館が休館のなか、アーティゾン美術館は15日から開館するようです。
都内在住の方は、ぜひ足を運んでみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございました!

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