【美術館備忘録#4】ポップなポスターが100点以上!『20世紀のポスター』展に行ってきました。

アート
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こんにちは。ナミです。

今回は、東京都庭園美術館で行われている『20世紀のポスター[図像と文字の風景]ビジュアルコミュニケーションは可能か?』に行ってきました。

ずっと気になっていた展示でしたが、100点以上のカラフルなポスターが集結した見ごたえある展示でした。
今月一番のお気に入り展示です!
グラフィックデザインが好きな方には是非見ていただきたい展示です。

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『20世紀のポスター』展覧会概要

この展覧会では、第2次世界大戦前から戦後にかけてのポスターが130点展示されています。

時代ごとに3つのセクションに分け、それぞれの時代のポスターがどのようなデザインを用いてメッセージを伝えようとしているのか、時代背景を紐解きながら展示されています。
展示されているポスターは50年以上幅があるにも関わらず、どの時代のポスターもとても印象的で、眺めているだけでもかなり楽しいです。
20世紀前半のポスターは、現代のわたしたちが見ても魅力的です。

本展の作品は、すべて撮影禁止となっています。
しかし、東京都庭園美術館のSNSやYouTubeなどで作品の一部が公開されているため、今回はそれらを用いてレポートしていきます。

20世紀のポスター ギャラリートーク

こちらのギャラリートークでは、作品を解説付きで閲覧することができます。
会場の雰囲気もわかりやすいので、是非ご覧ください。

『20世紀のポスター』展示作品

図像と文字の幾何学

このセクションでは、主に第2次世界大戦後から1970年代にかけてスイスの作家によって制作された作品が展示されています。

この時代のポスターの特徴は、幾何学的なデザインと文字のみで表現されたミニマルなデザインです。
そこから受け取れる情報も本質的なものばかりで、キャッチフレーズなどは示されていません。

上のInstagramの投稿の1枚目は音楽コンサートの告知ポスターですが、そこには日時や場所、指揮者の名前などの客観的な情報のみが書かれています。

この客観的・中立的なデザインが、戦後永世中立国となったスイスで生まれたポスターの特徴的です。

歴史的ダイナミズム

このセクションでは、戦後のスイスのデザインに影響を与えた戦前のポスターの数々が展示されています。

こちらは、ロシアで制作されたポスターです。
幾何学的な構図を用いているのは、スイスの作品とも共通しています。
しかし、このポスターはスイスの作品にはない躍動感や力強さが感じられます。

当時のロシアは、社会主義という理想に向かって突き進んでいました。
そういった思想的な面がポスターにも反映されていたと考えられます。

テオ・バルマー「写真100年展/バーゼル工芸博物館」(1927) 展覧会公式HPより引用

結果的に、こういった思想を表したポスターは市民の思考を動かし、悲惨な戦争の道へと導いたわけです。
そういった過去の反省を活かし、永世中立国となったスイスでは反戦の意味も込めて、ミニマルで客観的な情報のみを含むデザインの文化が生まれたと考えられます。

コミュニケーションのありか

1970年代以降、ポスターデザインは大きく変化しました。

それまでの客観的でミニマルなものから、より複雑で多様な解釈が可能なものへと移り変わっていきました。

このInstagramの投稿の1枚目は、スイスで制作されたものです。
以前のものとはかなり印象が違いますよね。

これは、時代の移り変わりにより個人の考え方が尊重されるようになったからです。

ポスターデザインも、そういった個性や多様性がないと見てもらえない時代になったのです。

ウォルフガング・ワインガルト「スイスポスター1900-1983/ビルクホイザー出版社」(1983)©Wolfgang Weingart 展覧会公式HPより引用

ビジュアルコミュニケーションとは

このように、ポスターといっても時代によってそれぞれ特徴があります。

もし、情報を伝えるだけでいいのであれば、戦後のスイスのようなミニマルなデザインで十分です。

しかし、ポスターは人に見てもらい、情報を受け取ってもらわなければ意味がありません。
そのためにも、時代に合わせた表現に変わっていく必要があったのです。

これが、作者と情報の受け手との間のビジュアルコミュニケーションなのです。

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この展覧会の最後の展示室には、ポスターの変遷を分かりやすく説明したパネルが設置されています。
デザインの移り変わりはもちろん、ポスターデザインには無視できない印刷技術の変化なども知ることができます。
これも、かなり面白かったです。

『20世紀のポスター』待ち時間・混雑状況・所要時間は?

『20世紀のポスター』展は、2021年3月24日現在事前予約なしで入場することができます。

わたしは、3月23日(火)の15時半ごろに訪問。
チケットは並ばずに買えました。

ただ、日時によってはチケット購入に待ち時間が生じたり、入場制限を行う場合もあるようです。
会期終了まであと半月なので、混雑するかもしれませんね。

待ち時間などの詳しい情報は、東京都庭園美術館の公式Twitterで発信されているのでチェックしてみてください。

展示室内は、あまり混んでいるという印象は受けませんでした。
写真撮影禁止だからというのもあるのか、人の流れはかなりスムーズでした。
東京都庭園美術館の展示室は一つ一つがかなり狭いですが、他のお客さん一組と一緒になるくらいで、1人でゆっく作品を楽しめる時間もありました。

滞在時間は、約1時間半でした。

『20世紀のポスター』基本情報

『20世紀のポスター[図像と文字の風景] ビジュアルコミュニケーションは可能か?』
会場:東京都庭園美術館 本館・新館(東京都庭園美術館|20世紀のポスター[図像と文字の風景]|2021年1月30日(土)-4月11日(日) (teien-art-museum.ne.jp)
アクセス:JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分、都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分
会期:2021年1月30日(土)-4月11日(日)
休館日:2月10日・24日、3月10日・24日、4月5日
開館時間:10:00-18:00 ※入館は17:30まで
チケット:当日券のみ
一般 1,100円 / 大学生 880円 / 中・高校生 550円 / 65歳以上 550円
(小学生以下および都内在住在学の中学生は無料、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料)
備考:展示作品・会場内撮影禁止

東京都庭園美術館 次回の展覧会情報

会場内では、次の展覧会の予告チラシが配布されていました。

毎年、東京都庭園美術館で開催されている建物公開です。
今年は『艶めくアール・デコの色彩』。

昨年も訪れた展示ですが、今年も楽しみです。

ちなみに、こちらは写真撮影可能です。
会期は、4月24日(土)から6月13日(日)です。

今回は、東京都庭園美術館で行われている『20世紀のポスター』展を紹介しました。

ちなみに、毎回記念に買っているポストカードですが、今回は展示作品のポストカードが販売されておらず...

ただ、展示作品が収録された図録がかなり魅力的だったので、オンラインショップで購入するか検討中です。

写真撮影NGなので注目度は低いかもしれませんが、ぜひ見てほしいおすすめの展覧会です!

『佐藤可士和展』を観に行かれた方なんかは好きなんじゃないかなと思います。

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