【美術館備忘録#2】DOMANI・明日展2021に行ってきました。後編

アート
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こんにちは。ナミです。

前回に引き続き、国立新美術館で行なわれていた『DOMANI・明日展2021』のレポートです。

まだ前編をご覧になっていない方は、そちらからご覧ください。

【美術館備忘録#1】DOMANI・明日展2021に行ってきました。前編
こんにちは。ナミです。今回は、初の美術館レポートです。昨年夏ごろから美術館巡りを始めたわたしですが、特に美術を...

【注意】
わたしは、特に美術を専門的に学んでいるわけでもない芸術の素人です。
このレポートは、あくまでもわたし個人が感じたことを記録に残しておくこと、また作品や展覧会についての理解を深めることを目的としたものです。
趣味の範囲内で感想を書いているということをご理解の上、読んでいただけると幸いです。

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展示作品

山本篤さん(現代美術、映像)

2018年度(1年間)ベトナム・フエにて研修。
現在、東京を拠点に活動。
現代社会が抱える問題を切り口にしたフィクション作品からごく私的なドキュメンタリー、コント的な実験作品など、多彩な映像作品を制作している。

山本篤「名前を知らない鳥」(左・2019-2020)、「I」(右・2019-2020)

今回展示されていた作品は、2つの映像作品。

美術館の映像作品は、プロジェクターを使って大きく映し出されることが多く、まさにこれは体験だなと感じさせられます。
家で過ごすことが増えた今、同じ映像をスマホで観ても決して同じ感覚は得られないと思います。
作品の目の前に立つだけで特別な価値を生む美術館という場所は、まさに経験を与えてくれる場所なのだと再認識しました。

春木麻衣子さん(現代美術、写真)

2017年度(1年間)フランス・パリにて研修。
現在、フランスを拠点に活動。
極端に露出アンダー又はオーバーに撮影することで、黒および白で一面が覆われた抽象的で清閑な写真作品の制作を行っている。

春木麻衣子「either portrait or landscape」(2007)

ぱっと見何が写っているのかいるのか分からないほど真っ黒な作品ばかり。
これが、春木さんの意図する余白なんだとか。
作品に対する説明などは一切なく、作品は提示するだけでその先の解釈は受け手に任せるというスタイル。

さらに、今回の展示ではパリの街の音声をスペース内に流すことで、音から想像を膨らませるということを誘導しているようです。

様々な感覚を使って楽しむことができる芸術、これもまた体験だなあと感じました。

天井に伸びるような展示方法も素敵でした。

春木麻衣子「vision | noisiv」(2017)

新里明士さん(陶芸)

2011年度(1年間)アメリカ・ボストンにて研修。
現在、岐阜県を拠点に活動。
ろくろで成形した白磁の生地に穴を開け、穴の中に透明の釉薬をかけて焼成することで、光を透過した文様が浮かび上がる「蛍手」と呼ばれる技法を用いた現代的なデザインで注目をあつめている。

新里明士「光器」(2019)

美しい白磁の器。
よく見てみると、ヒビが入っています。

この作品が生まれたのも、コロナ禍が影響していたようです。
忙しかったときには目に留まらなかった割れてしまった作品や崩壊した作品の欠片などの失敗作。
失敗は、制作の記録・記憶として作家のなかに積まれていきますが、この失敗を作品にしようということから制作が始まったそうです。

あえて亀裂を入れて焼き上げることで、新たな美しさを表現しています。

新里明士「光器」(2020)

光を当てることで、この亀裂がもつ力強さがより伝わってきます。
始めは何かのアクシデントで割れてしまったのかな?と思いましたが、この亀裂の意味を理解するだけで作品の見え方が変わって面白かったです。

竹村京さん(現代美術)、鬼頭健吾さん(現代美術)

竹村京さん
2004年度(3年間)ドイツ・ベルリンにて研修。
現在、群馬県を拠点に活動。
写真やドローイングの上に刺繡を施した白布を重ねた平面のインスタレーション、壊れた日用品の破損部分を白い布で縫い直した修復シリーズなどが代表作である。

竹村京「prosaic verse」(2011)

鬼頭健吾さん
2009年度(2年間)ドイツ・ベルリンにて研修。
現在、京都芸術大学大学院教授、群馬県を拠点に活動。
フラフープ、糸、鏡などの日常にありふれた既製品とモーターなどを使った大規模なインスタレーションや、立体、絵画、写真など多彩な表現方法を用いた作品を制作している。

鬼頭健吾「cosmic grave」(2021)

最後はとってもカラフルな作品。
夫婦の2人が、アートをコミュニケーションとして作った空間です。

竹村京・鬼頭健吾「Playing Field」(2021)

どの作品もワクワクするものばかりだったのですが、共同作品の『Playing Field』は見たことのない作風で面白いなと思いました。
竹村さんが撮った家族の何でもない風景の写真を鬼頭さんが選んでペイントし、そこに布を重ねて竹村さんが刺繡をするという工程で出来上がっているそうです。

竹村さんは、鬼頭さんがどんなことを思ってこのペインティングをしたのか想像しながら刺繡をしたそう。
家族間のコミュニケーションがこうやって可視化されているのはすごく面白いなと思いました。

お気に入りの1枚

わたしは、展示で一番気に入った作品のポストカードをお土産として買って帰ることにしています。

今回購入したポストカードはこちら。

新里明士さんの『光器』です。
亀裂の意味を知った瞬間、目に映る作品が全く違うものになったのが衝撃的でした。
まさに、自分の体験が映し出されたような1枚です。

他の作品も素敵だったので欲しかったのですが、あまりポストカードの種類がなかったのが残念…
最終日だったからでしょうか?

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色々な視点で作品を観ることができた、とても満足度の高い展示でした。
これは来年も見に行きたい…!

インスタグラムでも、展示の写真を載せていますのでご覧ください。
@_seasidememories_

前編・後編ともに最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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